めぐり来る季節のビデオ Megurikuru Kisetsu
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取材記一覧

桜の金沢・能登鹿島 2/2 <前のページ 1/2

主計町茶屋街で撮影をしていると、花びらが舞い降りてくる。
中の橋を渡って、対岸から浅野川をはさんで撮影をする。
カモの群れが川面に浮かんでいる。時々潜って姿が見えなくなる。
エサを採っているのだろう。
浅野川の桜並木に沿って歩く。浅野川大橋は他の橋と違って、
おしゃれに見える。川原で記念写真を撮る人も多い。

夕方から桜のライトアップを撮影する為に、金沢城公園に行く。
土曜日なので人出が多い。空いているところを見つけて
三脚をセットする。前を横切られてしまうので何度も撮り直す。
石川橋から見る石川門とお堀通り、百間堀園地の桜がライトで
浮かび上がってきれいに見える。
城内の菱櫓横の桜並木にもたくさんの方が押し寄せている。
ライトの一部が手の届くところにあるので、影を作る人がいて、
その影が桜に映しだされてしまう。これは止めてほしい。

続いて兼六園に行く。無料開放ということもあって大混雑だ。
ライトアップ用の光源は色温度が高く、光が強い。
ただ、ライトの数が少ないので、光が当たっているところと、
当たらないところのコントラストが極端に大きく、撮影には
まったく向かない。桜だけは撮れるが周囲を写すには、更に
別の光源が必要になってしまう。撮影をあきらめて
兼六園茶店通りに行く。店の灯りとぼんぼりの灯りが、
夜桜に訪れた人たちと桜の花を優しく照らしている。

・4月12日、金沢に来てからようやく晴れ上がり、陽の光が
まぶしく感じる。
路線バスで円光寺のバス停まで行き、徒歩15分くらいで野田山の
大乗寺丘陵公園に到着。名前のとおり丘に作られた広い公園で
上からは市街地と日本海と、建設中の北陸新幹線の福井区間の
一部が見えて、遠くに能登半島がかげろうに揺れる。
芝生のお花見広場には、桜の木が数十本植えられて、手軽に
お花見が出来るようになっている。

大乗寺丘陵公園に来る時に、途中で大きな桜の木があったので、
帰りに泉一丁目でバスを降りる。
行ってみると弥生さくら公園と表示されていて、ソメイヨシノと
八重の紅枝垂れ桜などが花開いている。公園はそれぼど広くはなく
地域の方が気軽に楽しめるようなところだ。
後で調べたら、1908〜1991年まで金沢地方気象台がこの場所にあり、
大きなソメイヨシノは当時の金沢地方気象台の開花標準木とのこと。

次に尾山神社に行く。神門のステンドグラスが洋風で違和感を
感じさせるが、境内は純日本式の社殿であり、庭園も造られている。
加賀百万石、前田家ゆかりの神社らしいと思う。
撮影の前に拝殿で、家族と友人・知人の健康を祈願する。
境内には桜の老木が一本だけある。これはこれで良いと思う。
お腹が空いたので、石段の横にある小さなケーキ屋さんでケーキを
買って食べる。日曜で人出が多いせいか、すぐに売れ切れて、
カーテンを閉められてしまう。間にあって良かったと思う。

・4月13日、午前9時ころから雨が降り始め、本降りになっている。
雨の日の撮影は楽ではないが、雨の日のシーンも必要だと思う。
晴れの日ばかりや、川や湖など水が無いシーンが続くと、
潤いがなく、乾いたものを無意識のうちに感じさせてしまう。

ひがし茶屋街、百間堀園地、金沢城公園、兼六園茶店通りを廻る。
ひがし茶屋街は雨にもかかわらず、多くの方が訪れて混雑して
いました。
映像制作上、この茶屋街には草木が少ないので、人の服装や雪でも
降らない限りは季節感を出しにくいと思う。前後のつながりで
季節感を出すようにしたいと思う。

百間堀園地は石川門の下にあり、土日は花見の人で賑わっていたが、
今日は雨で誰一人いない。雨に打たれた桜だけが静かにたたずむ。
兼六園茶店通りの桜もだいぶ散ってしまった。
桜の季節がもうすぐ終わるのを告げているようだ。

・4月14日、午前8時13分金沢発、七尾行き普通列車に乗る。
中津幡駅手前でデッドセクションを通過、一時的に電気が消える。
このデッドセクションは交流20kVから直流1500Vに変わる場所である。
七尾線の車窓から水田や畑が広がり、後ろに山々が連なる。
9時38分七尾駅に到着。のと鉄道、10時24分発穴水行きに乗り換える。

のと鉄道の先頭車両は運転手の席が左側に寄せてあり、中央と
右側は一番前から撮影が出来る。JRの車両とは大違いである。
中央に三脚をセットしたかったが、運転手から「途中でNHKの方が、
何人か乗り込んでくるかもしれません。」と言われたので、
三脚を短くして右側の窓にセットをする。
結局、最後までNHK取材班が乗ってくるでもなく配慮し過ぎた。

車両は和倉温泉、田鶴浜、笠師保、能登中島と進んでいく。
駅ごとに規模は違うが、桜が植えてありちょうど満開になっている。
西岸を過ぎると山間に入り、抜けると右側に海が見えてくる。
10時58分ころ、能登鹿島駅に到着。
線路をはさんだ両方のプラットフォームに桜があり、駅そのものが
桜並木になっているような感じだ。
無人の駅舎はかわいらしい造りになっていて、駅前には愛称の
能登さくら駅の標識が設置されている。
駅前から七尾北湾の海が広がり、遠くに残雪の立山連峰が見える。
列車が発着するたびに、多くの人が写真を撮っている。この時期の
この場所での桜の景色を、それぞれの人が堪能したと思う。

能登鹿島から金沢に戻り、夕方、片町の居酒屋に入る。
日本酒を飲みながら、取材で感じたことをメモする。
そして、桜が散らずに咲いていたこと、問題なく取材が出来たことに
感謝をする。あとはビデオの編集で、どこまで表現できるかである。

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・主計町茶屋街

・金沢城公園、桜ライトアップ、城内の石川櫓付近

・大乗寺丘陵公園、お花見広場の桜

・弥生さくら公園、旧金沢地方気象台の跡地

・尾山神社、神門

・ひがし茶屋街

・金沢城公園、バス停留所付近からの景色

・のと鉄道、能登鹿島駅、下りの車両から撮影

・のと鉄道、能登鹿島駅の駅舎

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