めぐり来る季節のビデオ Megurikuru Kisetsu
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取材記一覧

柏崎から秋の風景、晩秋の日本海

・毎年11月後半から12月にかけて、秋と冬が交互に現れて、
季節が移り変わっていくのを感じます。
この季節の日本海の風景が、ずっと気になっていて、
新潟県柏崎市に取材に出かけました。


・11月28日、池袋発、午前8時40分の高速バスに乗車。
高崎ICを過ぎたころから、青空が広がってくる。
車窓から見える紅葉と冠雪の山々がきれいだ。
乗客は二人だけなので、気がねなく写真を撮り続ける。
午後1時ころ柏崎駅前に到着する。

この時間は電車も路線バスも、運行間隔があいていて
二時間以上の待ち時間になるので、タクシーで鯨波駅まで行く。
海岸全体を見渡したいので、海水浴場を通り過ぎて、
崖の上に続く細い道を登り、番神御野立公園まで歩く。
展望台からは辺り一面が見渡せる。米山もよく見える。
高気圧に覆われているせいか、穏やかな海が広がる。
砂浜に打ち寄せる波は、凪の時のように静かだ。

しばらく撮影してから、信越本線に沿って青海川駅に向かう。
鯨波三丁目付近は、鉄道写真に最適な撮影スポットが多い。
時間があれば撮りたいが、列車はすぐに通過しそうでないし、
陽が西に傾いているので、景色を見ながら歩き続ける。

米山大橋のそばにある日本海フィッシャーマンズケープに
午後3時半ころ到着。お店の立ち並ぶ間を抜けて、裏手にある
米山福浦八景県立自然公園に向かう。先端は恋人岬だが、
そこまで行かないで、高さのある崖の上から夕日を撮影する。

秋分の日の入りの位置は真西。この時期は西南西に
30度近く移動する。このまま地上に沈むかもしれないと
半分諦めだったが、斜めに落ちていく太陽を見ながら待って、
日本海の夕日を撮影することができた。
きれいな夕日が撮れたので、安堵感が湧き出てくるが、
電車の時間が迫っているので、急いで青海川駅に行く。
乗車証明書を発券して、午後5時1分の電車で宿に向かう。

・11月29日、柏崎駅8時57分の電車で青海川駅に行く。
空は雲で覆われているが、時々薄日が差し込んでくる。
海はそれほど荒れていないが、波が高くなっている。

青海川駅は、日本で一番海に近い駅ということで、
観光の名所になっている。しかし、残念だと思うのは
観光客は電車で来ないで、バイクや車で訪れて、
無人駅で入場券も必要なく、そのまま駅構内に入る。
車は便利かもしれないが、鉄道も利用してほしいと思う。

駅周辺を撮影していると、10時頃から雨が降り始める。
風が強くなり、急いで崖の道を登って、雨宿りの為に
日本海フィッシャーマンズケープにいく。順番にお店を
ゆっくり見てお土産を買い、宅配便で送るように手配する。
1時間半くらい待って、小雨になったので恋人岬に向かう。
歩きはじめて少しすると、また強い雨が降り始める。
恋人岬の売店は閉まっていて中に入れない。
軒先で風雨が止むのを待つ。

ここからは米山大橋や青海川駅がよく見える。
天気が良くないので霞んでいるが、晴れた日は絶好の
撮影場所だと思う。ただ、今回はこの時期にあえて
来ているので、これがこの時期の景色でいいと思う。

雨が降ったり止んだりしている。風が吹かなければ
なんとかなるのだが、海に面しているのでしかたない。
米山大橋北詰のバス停から、路線バスに乗って移動する。
運転手に「松雲山荘に行きたいのですが」と尋ねる。
「このバスはその方面には行かない」と答えてくれて、
「赤坂山公園で降りて、公園の中を通って行けます。」と
ていねいに教えていただく。

赤坂山公園は小高い丘陵地に造られた公園で、紅葉の見頃の
ピークは過ぎているが、落葉を敷き詰めた園内が美しい。
案内板の「水のながれ」に沿って歩き、隣接した松雲山荘に行く。

越後三大紅葉のひとつである日本庭園の松雲山荘は、
造られた美しさがある。葉を落とし始めているがそれもいい。
柏崎で情緒ある紅葉を見ることができるとは思いもしなかった。
予定外であったが、現地で出合えて良かったと思う。

帰りに街のスーパーで酒とつまみを買う。
ここのお酒のコーナーは手ごろなサイズの新潟の酒が
たくさん並べてあるので、うれしくなってしまう。
昨日は新発田「五郎八にごり酒」、長岡「吉野川新酒」を飲んだので、
今日は柏崎「越の誉淡麗純米」、新発田「ふなぐち菊水」にする。
刺身の盛り合わせにキスが入っているのが地元らしくて良いと思う。
長岡摂田屋の鰹だし醤油が刺身に合いそうだ。
「越の誉淡麗純米」は、加茂の純米酒「雪椿」と飲み比べたい酒だ。

・11月30日、昨日と同じ8時57分の電車で青海川駅に向かう。
天気予報は曇りで、雨は大丈夫だとのこと。できればそう願う。 
昨日はゆっくり撮れなかった駅周辺を撮影していく。
駅のそばに谷根川(たんねがわ)が流れている。河口にカモメが
群れをなしている。遡上する鮭を狙っているのだろうか。
今日の波は高い。押し寄せる波を、青海川駅のホームから
ずっと撮影し続ける。

青海川駅、11時33分の電車で柏崎駅に向かう。
車窓から見える日本海は、冬の海のようだ。
柏崎駅に着いてから、歩いて中央海水浴場まで行く。
防波堤のないところは、砂浜に打ち寄せる波がとても高い。
帰りのバスの時間を気にしながら、しばらく撮影をする。

・この三日間で、いろいろな海の表情を取材できてよかった。
駅のコンビニで塩沢の酒「鶴齢」を買って、高速バスを待つ。
家に着いたら、飲みながら今回の取材を振り返ってみようと思う。



・高速バスの車窓から、冠雪の八海山

・鯨波海水浴場、左上に米山が見える

・日本海の夕日

・恋人岬から米山大橋と青海川駅が見える

・赤坂山公園

・松雲山荘

・青海川駅のすぐ下は日本海

・谷根川(たんねがわ)河口のカモメ

・柏崎中央海水浴場に押し寄せる波

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