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取材記一覧

秋の丹沢湖 取材記

・三浦半島から太陽が昇り、穏やかな朝の相模湾を照らしている。
東海道本線の普通列車に乗って、国府津で御殿場線に乗り換える。
松田駅に6時49分到着。バス停のある新松田駅は、すぐ近くにある。
すでに数人の方が並んでいるが、駅前の箱根そばで朝食をとる。
そば屋さんを出てバス停に行くと、行列は30人くらいになっている。
今日は晴れの予報とあって、リュックサックを背負った方が多い。

7時15分、西丹沢自然教室行きの路線バスが発車する。
途中の山北駅で3人、谷峨駅で15人ほどの方が乗ってくる。
車内は途中で乗車した小学生と、ハイキングスタイルの方で満席だ。

玄倉のバス停で1/3くらいの方が降りる。私の席の隣の方が、
「ここで降りる人はユーシン渓谷に行くのでしょう。落石で車は
通行止めですが、歩いて2時間くらいでいけます。途中のトンネルが
暗いので懐中電灯が必要です。」と教えてくれる。
バスは丹沢湖のバス停を過ぎて、永歳橋を渡る。
先ほどの方が、「このバスの終点の周辺もいいところですよ。」と、
言って、いろいろと教えてくれる。
話を聞いていると、興味が湧いてきて、いつか行ってみたいと思う。
8時25分ころ、中川橋のバス停で降りる。
残りの方は乗ったままなので、西丹沢まで行くのだろうか。

中川橋から下を流れる中川川(なかがわがわ)を見下ろす。
周辺の広葉樹が染まっているのがよく見える。ボート乗り場近くの
イチョウの黄葉が、朝の陽射しに映えてきれいだ。
橋のすぐそばのトンネルを抜けて、少し上流に行ってみる。
この道も落石で車両通行止めだが、徒歩なら問題なく行ける。
山陰で陽が射していないが、対岸に陽が射して中川橋の周辺が
浮かび上がって見える。

中川橋まで戻って撮影をする。雲が出ているので陽射しが時々、
陰ってしまう。写真だったら瞬間的に撮ればいいのだろうが、
ビデオだと途中で陽が陰ったのがわかってしまう。
雲の動きを確認するが、たまに忘れてしまうので要注意だ。

丹沢湖の北側の道を歩いて、千代の沢園地に向かう。
この道路は一方通行で、車はたまにしか通らない。
対岸の景色を撮影しながら、10時頃に千代の沢園地に到着する。

園地の前のモミジが赤く色づいて、ちょうど見頃になっている。
ここは駐車場やトイレが整備されているので、多くの方が
訪れている。
階段を上がると展望台があって、丹沢湖全体が見渡せる。
晴れていれば展望台から富士山がみえるのだが、雲が広がって
この時間には見えない。残念だがしかたない。
ベンチに腰掛けて少し休憩をする。風が少し冷たくなってきた。
階段を下りる途中、野生のサルが柿を食べているのが見える。
年配の方が近寄って、サルが逃げる時に落とした柿を食べて、
「渋い」と言っている。サルの味覚は知らないが、それでも
「柔らかくなった柿を選んで食べている。」と、見解が聞こえる。

大仏橋、永歳橋を渡って、丹沢湖記念館に立ち寄ってみる。
中にはお土産など地元の物産を販売している。壁には観光写真
コンクールの入賞写真が展示してあって、丹沢湖周囲の四季の
行事や風景がうまく写されている。

丹沢湖は多目的ダムの三保ダムの建設によって出来た湖で、
玄倉川、中川川、世附川の三つの川が流れ込んでいる。
丹沢の西にあり、周囲はそれほど高くない山に囲まれている。
ドライブやハイキング、写真撮影など、各自の目的に応じて
気軽に楽しめるところだと思う。

午後1時を過ぎて、それまで空を一面に覆っていた雲の間に
すき間が見え始め、強い陽射しが射しこんでくる。
戻って撮影をやり直したいと思う。ただ、3時頃には太陽が
山の後ろに傾いて、日陰の部分が多くなってしまい、
これから行こうとしているところが撮れなくなってしまう。
進むか戻るかの選択だが、内容が多いほうがよいと考えて、
前に進むことにする。

三保ダムの天端(てんば)の道を途中まで行って、
ロックフィルダムの斜面に造られた緩やかな道を下っていく。
下にダム広場公園が見える。その先には三保ダムから
流れる河内川と周囲の山が午後の陽射しに映える。

ダム斜面の道は大きく蛇行しているので、かなりの距離がある。
1km以上はありそうだ。歩いている割に全然下に行かない。
左側に石段があるので、急いでいる場合は石段がよさそうだ。

下に近づくと、ダム広場公園のイチョウの黄葉が目立つ。
他の木々も色づいてきれいだ。
いろいろな種類の木が植えてあって、彩り豊かだ。
近くに駐車場があるが、公園に人影は少なく、のんびりと
時間を過ごすには、こんな場所がいいのかもしれない。

公園をぬけて三保ダムの正面に行ってみる。ダムのゲートの
一番高いところを観光客が歩いている。
放水の時は、かなりの迫力を感じることが出来るのだろう。

陽が西に傾いて、半逆光に浮かび上がる景色がきれいだ。
時間は2時半になっている。帰ろうと石段を登り始めた時に
降りてきたダム管理事務所の職員の方が、挨拶をしてくれる。
帰り道について聞くと、神縄のバス停が近そうだ。
お礼を言って、河内川沿いの道を歩く。
2時45分、神縄のバス停に到着。ベンチに腰掛けてバスを待つ。
今夜は、なじみの天婦羅屋で、何杯か飲んで帰ろうと思う。

・この日は6時間くらい動き廻りました。なにもないところだと、
こんなに歩くことはありませんが、周囲の景色を見たり、撮影を
していると疲れを感じません。いつかまた、来たいと思います。


・中川川(なかがわがわ)に架かる中川橋

・中川橋から上流方向

・ボート乗り場近くのイチョウ

・千代の沢園地、この先は一方通行で車両進入禁止

・千代の沢園地前のモミジ並木

・千代の沢園地の展望台から、大仏橋方向

・ダムの斜面の道から見たダム広場公園と河内川

・ダム広場公園

・三保ダム、ダム広場公園より

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