めぐり来る季節のビデオ Megurikuru Kisetsu
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取材記一覧

秋の糸魚川

・北部フォッサマグナの西縁の地にある、秋の糸魚川を訪ねました。


・10月29日、新宿7時30分発、南小谷行、あずさ3号に乗車する。
乗車率はほぼ100%で、大月で少し乗客が降りはじめる。
晴れているので、甲府から小淵沢の車窓に富士山が見える。
松本を過ぎると、左に北アルプスの山々のパノラマが広がる。
信濃大町で、ほとんどの乗客が降りて、車内がガランとする。
定刻を2分ほど遅れて、南小谷に到着する。反対側のホームに渡って
乗り換える。ここからはJR東日本からJR西日本に変わる。
南小谷からの大糸線は非電化区間で、ディーゼルの一両編成になる。
姫川沿いの渓谷を走って、12時57分、糸魚川駅に到着する。

・糸魚川駅から路線バスで、フォッサマグナミュージアムに行く。
フォッサマグナとは、「大きな低地(溝)」という意味です。
書籍を読んで予備知識をつけていますが、どんな内容か気になります。
受付で撮影について確認をする。写真撮影はOKだが、ビデオ撮影は
禁止をしている。動画を上映しているので、内容の流出防止とのこと。
館内は第1展示室から第6展示室に分けられていて、それぞれの
テーマで展示・解説されている。化石や鉱物など、よく集めたと思う。
なんといっても、第3展示室の「誕生日本列島」は一見の価値がある。
巨大スクリーンと足元に、同時に映しだされる映像は圧巻だと思う。

・10月30日、8時55分、糸魚川駅日本海口から焼山・笹倉温泉行きの
バスに乗る。小雨の降る中を走り、25分ほどで新道(しんどう)に到着。
ここから15分くらい歩いて、月不見(つきみず)の池に行く
フジの名所だが、秋なので、それほど大きくない池のまわりの紅葉が
始まっている。池の中に大きな岩が二つあり、池の周囲にも岩がある。
この池の生い立ちで、地殻変動がつくりだした造形美だと思う。
他に誰一人いない静寂のなかに、大自然の音が聞こえてくるようだ。

バス停に戻り、糸魚川駅行きに乗り、途中の梶屋敷駅前で降りる。
次に能生駅前行きに乗り換え、能生案内所に向かう。
バスは国道8号線を走る。浦本駅前を過ぎると、海岸線ギリギリに
道路がせり出している。雨と風が強くなり、波しぶきが飛んでくる。
鬼伏、鬼舞を通過して、12時11分ころ能生案内所に到着する。
県道から国道8号線に出て海沿いを歩く。雨が降ったり止んだりしている。
約15分で能生海水浴場の弁天岩に着く。岩の上に灯台と鳥居が見える。
弁天岩は一番上まで行けるようになっている。狭くて急な石段を
登って灯台のところまで行く。それまで止んでいた雨が急に降り出し
風が強くなってくる。ビデオカメラのレンズがすぐに濡れるので、
灯台の端によせて15分ほど様子を見るが、雨風は止みそうにない。
弁天岩の中腹にある神社の祠までもどり、しばらく雨宿りをする。
祠には厳島神社と書いてある。宮島の厳島神社と同じ名前が意外だ。
賽銭箱の中に蜜蜂の巣があるので、注意をするように書いてある。
30分ほど経っても天候は回復しそうもないので、移動することにする。

・能生案内所からバスで糸魚川駅まで戻る。
宿に帰るには、まだ時間があるので、駅前のヒスイ王国館に入る。
お土産と糸魚川の日本酒4本を買って、宅配便で送ってもらう。

・10月31日、糸魚川駅、9時2分の電車で親不知駅に向かう。
青海駅付近で、日本海に虹が架かっているのが見える。
11分ほどで親不知駅に到着。ピアパークまで15分くらい歩く。
この時は晴れていて、海と空と雲がきれいに見える。
この場所には、親不知漁港と親不知海水浴場があって、すぐ近くに
道の駅ピアパークをつくって観光誘致をしている。
海岸の砂が荒く、波に削られて丸くなった小石も多い。
ヒスイも混ざっているとのことだが、いくつかの石を見て
それらしいものもあるが、素人にはよくわからない。
この付近は北陸自動車道が海の上に張り出している。
しばらく海岸に打ち寄せる波を撮影する。

・親不知駅に戻って、その先の歌が浜に行くことにする。
親不知郵便局の前に作家の水上勉の記念碑がある。読んでいないが
歌地区は「越後つついし親不知」の舞台になったそうである。
歌が浜は歌川の河口にあって、地理的には子不知に属するのだろう。
先ほどまで晴れていた空が黒い雲に覆われ、雨が降り出してくる。
砂浜に出てみたいが、時々、大きな波が打ち寄せるので
安全を考えて、少し高い所から撮影をする。
昔、旅人は、親不知子不知にさしかかると、危険を承知しても
荒波の海岸線を歩かざるをえなかったのだと思う。
響きわたる荒波の音は、昔も今も変わらないのだろう。

・親不知駅からとなりの青海駅に戻り、青海川の河口に行く。
河口が砂で覆われていて、水の流れが大きく蛇行している。
このあたりも波が大きく、波消しブロックから波しぶきが飛んでくる。
止んでいた雨が降り出したので、近くの東屋で雨宿りをする。
しばらくして青海川駅入口のバス停から乗って、糸魚川駅に戻る。

・糸魚川駅にはジオラマ鉄道模型がある。小さな子供向けに
ブラレールも多数展示されている。
ジオラマは糸魚川の駅周辺などが細かく再現されている。
また、東京都心も再現されていて、新幹線で東京〜糸魚川が
近くなったことを表現していると、説明して頂きました。

・糸魚川駅から徒歩で5分くらいのところにある大町海望公園と
大町展望台に行く。晴れていればきれいに見えると思うが
ちょうど黒い雲に覆われていて、雨風で遠くが霞んで見える。
その後、二年前の大火災のあったところを歩く。
ほとんどの建物は改修されていて、以前の姿を見ていない私には
大火の跡はわからない。空き地があるのは火災と関係があるのか、
気にしながら、宿に帰る。
宿では毎晩、砺波と糸魚川の日本酒を飲んでいる。
糸魚川の酒は二銘柄おいてあるが、どちらも旨いと思う。

・11月1日、天気予報は晴れと曇りで、降水確率は低いとのこと。
糸魚川駅からバスで美山公園に行く。展望台から姫川の上流方向を
撮影する。少し雲があるが、北アルプスの山々や、妙高の火打山を
見ることが出来る。大糸線の時刻表を調べてきたので、車両が
走るのを待って撮影をする。午前中なので逆光になるが、雰囲気が
解ればいいと思う。大糸線を撮影をして、時間があるので、近くの
長者ヶ原遺跡公園に行く。縄文時代の住居を復元したものがある。
その後、糸魚川駅13時13分発の南小谷行きに乗車して、帰路につく。



・大糸線、南小谷(みなみおたり)駅

・フォッサマグナ ミュージアム

・月不見(つきみず)の池

・能生海水浴場の弁天岩

・糸魚川駅前のヒスイ王国館

・親不知(おやしらず)ピアパーク

・歌が浜

・ジオラマ鉄道模型

・美山公園、展望台からの景色

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