めぐり来る季節のビデオ Megurikuru Kisetsu
MENU

取材記一覧

冬の新潟 取材記

・音も無く深々と雪の降る景色には、忘れがたいものがあります。
また、映像での雪の降るシーンは、情緒的なものがあると思います。
ただ、視界がなくなってきて、撮れるものが限られてしまいます。
そんなことを考えながら、冬型の気圧配置が緩むのを待って、
冬の新潟を訪ねました。2015年1月です。


・1月13日、午前5時30分、高田駅に到着。
少し休憩をして高田公園に向かう。外の気温は2℃くらいだろう。
融けかけた歩道の雪で足をとられて歩きにくい。
30分くらいで高田公園に着く。
上空は雲で覆われているが、妙高方向に雲の切れ目があって、
7時頃になると、妙高連山が明るくなっていくのがわかる。

周囲が明るくなってきたので、撮影を開始する。この時期は、
おそらく観光客はいないので、通勤・通学で使われない歩道は
雪が踏み固まっていない。お堀のそばに寄りたいが近づくことが
出来ない。スコップ持参が良いのだろうが、それはできない。
仕方ないので、少しずつ足で雪を踏み固めながら前に進む。
時々、ズボッと入ってしまう。注意をしながら三脚をセットする。
明るくなるにつれて、時間と共に色温度が変わってくる。
あまり修正をすると雰囲気がなくなるので、手加減が必要だ。

西掘と西堀橋、三重櫓などを撮影する。小学生や中学生が
通学で多くなって来たので、撮影を中断して道をゆずる。
元気に「おはようございます」と挨拶をしてくれる。

9時52分、高田から信越本線で長岡に向かう。この電車は
快速で昔の特急タイプの車両を使っているので、前方を
見ることが出来ない。海の見える進行方向左側の席に座る。
直江津、柿崎を過ぎると、線路は冬の海岸線に近づく。
砂浜に打ち寄せる波が時々見える。今日はあまり荒れていない。
柿崎〜米山〜笠島〜青梅川〜鯨波、この区間の景色がいい。

11時9分、長岡に到着。駅からバスで悠久山公園に行く。
蒼紫神社に参拝をして、家族と友人の健康を祈願する。
賽銭箱のすぐ上に御神籤があるので引いてみる。その後、
公園の中を撮影していく。泉翠池に降り積もった雪の
模様がきれいだ。小動物園のそばの椿が雪に埋もれている。
良く見るとツボミが膨らみ始めている。雪椿だろうか。
去年の桜の時期に、椿がきれいに咲いていたのを思い出す。
雪かきをしている方に、「人影がないですね」と話かける。
「スキー場があったころは、多かったのですが、今は
誰も来なくなりました。」
ひととおり撮影をしてから、歩いて近くの友人宅を訪ねる。

14時38分、長岡から新潟に向かう。信越本線の長岡駅から
三条駅まての区間は、ほとんど直線で遠くまで見通せる。
長岡から離れていくと、周囲の積雪がなくなってくる。
15時54分、定刻どおり新潟駅に到着。早めに宿に入る。

・1月14日、午前8時4分、新潟駅に近い明石一丁目から
バスに乗る。行先は阿賀野市水原の瓢湖(ひょうこ)である。
晴れ上がった朝の陽射しが、バスの車内に差し込んでくる。
国道49号線の若松街道を進んで、9時少し前に瓢湖に到着。
途中、水田に白鳥の群れを見る。新潟市近郊にいるのは
コハクチョウであるとのこと。瓢湖はオオハクチョウで、
ちょっと見ただけでは、識別をするのは難しいようです。

9時からエサをあげる時間になっており、多くのカモと、
白鳥が集まってくる。白鳥の大部分は餌場である水田に
出かけているのでしょうが、それでも多いと思う。
しばらくすると、白鳥が2〜5羽くらいのグループで
羽ばたいていく。体が大きいので助走が長く迫力がある。

子供たちの集団が歩いてくる。「何年生ですか?」と聞く。
「水原小学校の2年生です!」と元気よく返してくれる。
時間が経つにつれて白鳥の数が少なくなってくる。それでも
11時のエサの時間には、それなりに集まってくる。
今度は、幼稚園か保育園の子供たちがたくさん来て、
白鳥の前で記念写真を撮っている。ほほえましい時間だ。

昼近くなったので、白鳥会館でコーヒーを買って飲む。
管理事務所の前にある「白鳥募金」のポストに募金を
入れて、新潟行きのバスに乗る。来て良かったと思う。

13時少し前に、バスは古町に到着。マンガストリートと
古町通りを経由して、白山神社まで歩く。
白山神社に参拝をして、観光循環バスに乗って市内を廻る。
陽射しがなくなってきて、明日は天気がくずれそうだ。

・1月15日、9時19分、新潟発会津若松行きに乗車。
磐越西線で阿賀野川沿いの津川までいくことにする。
磐越西線は郡山〜喜多方は何回か乗車しているが、
阿賀野川沿いは乗車したことが無く、前から乗って
見たいと思っていた路線だ。
津川駅からキリン橋を渡り、狐の嫁入り屋敷まで行く。
休館日だったので見学は出来なかったが、古い町並みと
穏やかに流れる阿賀野川を感じることができたと思う。

14時ころ新潟に戻る。駅近くを歩いて昔の面影を探す。
年月が経っているので建物はずいぶんと変わっている。
雨が降り始めたので、朱鷺メッセの展望室に向かう。
福山雅治コンサートがあるので、開演待ちの人で、
大混雑である。展望室から雨の市街地を撮影する。
青く暮れていく街並みと信濃川が旅情を感じさせてくれる。

本降りの雨の中を駅に戻り、近くの居酒屋に入る。
お刺身をつまみにして、冷えた日本酒がうまい。
今回の内容を思い浮かべながら、また来たいと思う。


・高田公園、三重櫓。

・高田公園、西堀橋と妙高の山々。

・信越本線の車窓から見る、鯨波海岸。

・長岡市悠久山公園、泉翠池。

・阿賀野市水原、瓢湖の白鳥とカモ。

・白鳥がエサを求めて羽ばたいていきます。

・小さな子供たちが見学に訪れます。

・阿賀町津川、阿賀野川の川面が鏡のようです。

・蒼く暮れていく新潟の街と信濃川。

< 取材記 INDEXにもどる >

copyright (c) 2020 Hideichi Suzuki All rights reserved