めぐり来る季節のビデオ Megurikuru Kisetsu
MENU

取材記一覧

冬の八戸・十和田湖・奥入瀬渓流 取材記

・雪の降る冬は、他の季節には見られない独特のものがあると思う。
形あるものは雪につつまれて姿が隠れ、色彩が少なく、降る雪に
視界も遮られてしまう。そして、晴れ上がると白銀の世界が広がる。
2014年1月、冬の八戸、十和田湖、奥入瀬渓流の取材記です。


・1月24日、午前6時40分、八戸駅に到着。東の空が明るくなり始め、
車や人々が動き出している。気温はおそらく氷点下なのだろう。
八戸線 7時12分発、久慈行きに乗車。学生たちで混んでいる車内に
朝日が差し込んでくる。車窓をずっとビデオカメラで撮影する。

7時28分、陸奥湊駅に到着。駅前には朝市があって、ここで朝食を
いただく。ガイドブックによると午前三時ころから開いていて、
たくさんのお店が並んでいます。小分けしたお刺身、魚卵、お惣菜、
などがあって好きなものを選んで購入。ご飯、味噌汁、せんべい汁を
別に売っているので、おなかの空き具合と相談して選べます。
私はタラコとマスコとイカの塩辛と切干大根などをいただきました。
新鮮で、とても美味しかったです。季節もいいのかな、と思う。
ビデオでの撮影は考えていなかったのですが、雰囲気が良かった
ので手持ちで撮影。後でチェックをして三脚を使うべきだと反省。

その後、八食センターに向かい、お土産を購入してそれぞれに発送。
送迎バスの時間まで少しあるので八戸駅周辺を散策する。
酒屋さんの入口に貼ってあるドブロクのポスターにつられて
店内に入る。結局、二種類のドブロクを二升買ってしまう。
どうもこの手のものには弱いのです。その場で自宅宛に発送。

・バスに乗り込んで十和田湖に向かう。日中の陽射しが強い。
路面の雪が解けかけて、対向車がはね上げる泥が窓にかかる。
撮影をできる状態でないので、あきらめて周囲の状態を観察。
奥入瀬渓流にさしかかると、風景が変わってくる。積雪が
多くなり道路の両側に除雪で積み上がった壁が出来ている。
渓流の水の量も少なく、新緑の頃とはまったく違う。
4時少し前に十和田湖の宿に到着。荷物を置いて湖畔に行く。
冬季休業の遊覧船が桟橋につながれて、雪をかぶっている。
暗くなってきたので数カット撮影をして、宿に戻る。
温泉に入ってから夕食。日本酒コップ5杯で疲れをいやす。
明日の撮影方針を考えながら寝ようとするが、風の音が
すごい。窓から冷気を感じ気温が下がっているのがわかる。

・1月25日、9時10分、十和田湖駅からバスで銚子大滝に向かう。
同じバスに乗車された方は、今日で四泊旅行の最終日だそうで、
写真撮影にきているとのこと。撮影した写真をカメラのモニターで
見せて頂く。厳冬の自然がつくりだす造形美を狙っているとか。
冬季の遊歩道閉鎖の話をすると、足跡のついているところは
誰かが入って踏み固まっているので、踏み外さなければ
大丈夫だとのこと。

9時28分、銚子大滝に到着。すぐに軽アイゼンを靴に装着する。
雪が踏み固まった遊歩道を歩いて、滝の下に降りる。水量が
少ないので普段は行けないほど滝の近くまで行く。横幅20mの
滝が半分以下になっている。凍ったところが幻想的な形に見える。
三脚をセットするが雪の中に突き刺さって沈んでしまう。
色彩に乏しいが、これが冬だけのものだと思いながら撮影をする。

国道102号線に戻って、石ケ戸(いしげど)を目指して歩いていく。
途中で景色の良いところがあったら、道路の端の雪の壁に三脚を
突き刺して撮影をしていく。車両が時々、通過するので道路に
三脚を広げるのは危険である。
木々が葉を落としているので渓流沿いの地形が良くわかる。
九段の滝、姉妹の滝など、しばらく滝が続く。雲井の滝に12時
少し前に到着。撮影をしながらなので、かなりスローペースで
進んでいるようだ。写真だったらシャッターを押して瞬間的に
撮れてしまうが、ビデオはそうはいかない。キチンと三脚を立てて
構図を変えて何カットか撮ると、それなりに時間がかかってしまう。
また、歩きながら撮るような被写体ではないと思う。

可憐な千筋(ちすじ)の滝は外側が凍って見える。ただ、岩の中から
水が染み出てくるので、内側の様子が気になるが調べようがない。
少し行って、平成の流れを撮影。岩の間を勢いよく流れている。
今回は滝以外で一番勢いがあると思う。さらに歩いて九十九島と
阿修羅の流れを撮影する。このあたりは水量が少なく勢いが
落ちているように感じる。
午後2時30分頃、石ケ戸休憩所に到着。五時間ほどの撮影。
バスを待つ間、コーヒーとリンゴのどら焼きを頂く。どら焼きは
私には甘すぎたが、ドリップのコーヒーが美味しかった。

・1月26日、バスで石ケ戸まで行き、三乱(さみだれ)の流れまで歩く。
今日は天候が急変しそうだ。陽が射したり雪が降ったりしている。
1時間ほど撮影をしてから、バスで十和田湖駅に戻る。
十和田神社で参拝をして撮影。神社の中にたくさんの人がいる。
何かの祈祷なのかよくわからないが、人影があるとホッとする。
その後、乙女の像で撮影。雪の中のブロンズ像が寒そうに見える。
しばらくすると黒い雲に空が覆われてしまう。風が吹き出し雪が
降ってくる。やがて吹雪になったので、宿に戻ることにする。
夕食まで時間があるので温泉にゆっくりと入る。昨日一昨日と酒の
量が多かったので、控えめにと思いながらも日本酒コップ4杯。
酔いがそれほどでもないので、もう一度、温泉に入ってから、
明日の八戸での撮影ポイントを確認して就寝。

・1月27日、夜中に降った雪が晴れ上がり、朝の陽射しに映えて、
とてもきれいに見える。心残りであるが、バスで八戸に向かう。
八戸では、舘鼻公園と八戸漁港に行く。どちらも観光案内では
あまり見かけないのですが、八戸らしくて良いところだと思う。
最後に、三八城(みやぎ)神社に参拝をして家族と友人の健康を祈願。
帰りのバスまで時間がかなりあるので、八戸駅前の居酒屋に入る。
お刺身、タラの白子の酢の物、野菜サラダなどをいただく。
日本酒を飲みながら、今回の取材で気になったことを書きとめる。
とりあえず事故もなく無事に取材が出来て、よかったと思う。
次に来ることが出来るなら、秋の紅葉シーズンにしたいと思う。


・陸奥湊駅前朝市、朝3時から昼12時まで営業

・陸奥湊駅前朝市、八戸市営魚采小売市場

・銚子大滝、滝の一部が凍っていました

・千筋(ちすじ)の滝、小さな滝ですが全面が凍っています

・平成の流れ、岩の間を勢いよく流れています

・雪に包まれた十和田神社

・国道102号線、十和田湖おいらせライン

・八戸港、シーガルブリッジとイカ釣り漁船

・八戸漁港、薄っすらと雪の積もった岸壁と漁船

< 取材記 INDEXにもどる >

copyright (c) 2020 Hideichi Suzuki All rights reserved