めぐり来る季節のビデオ Megurikuru Kisetsu
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取材記一覧

春の新潟 〜加茂・長岡・越後湯沢〜

・4月16日、新潟駅から信越本線で約40分、加茂駅に到着する。
朝の8時半前だが、土曜で通勤・通学が少ないのか、駅前は静かだ。
駅舎の紅枝垂れ桜が見事に咲いている。今年は暖冬のせいもあって
新潟県内のほとんどのソメイヨシノは散ってしまっているので、
意外な感じもしたが、枝垂れ桜を見てうれしくなってしまう。
まだ開いていない朝の商店街をぬけて、加茂山公園に向かう。

一週間前、加茂市役所に雪椿の開花状況を問い合わせたが、
五分咲きとのことだった。暖かい日が続いたので開花状況が
気になる。晴れの日を待ったので少し遅かったのかもしれない。

五分ほどで青海神社の鳥居の前に立つ。石段を登っていくと
鬱蒼とした杉木立に囲まれた荘厳な社殿が見えてくる。
参拝をして、家族と友人の健康と安全を祈願する。

神社の裏に続く道を通って、加茂山公園の中を歩く。
山のあちこちに野生種の雪椿が咲いている。見頃のピークが
過ぎて花が痛み始めているものが多いが、場所によっては
きれいな状態の花もある。ひとつずつ良く見て撮影をする。
野生種の雪椿は素朴な感じがする。花びらの数が少なく、
鑑賞用の園芸品種に比べてひとまわり小さい。
公園の中の雪椿園には、多数の園芸品種が植樹されている。
近くに雪椿の歌碑があり、この前で記念写真を撮る人が多い。
また、見晴らし台に行く途中に長さ150mの大型スライダーが
あって、元気な子供たちの声が響きわたっている。
雪椿園周辺にはソメイヨシノが咲き、タイミングが良ければ、
桜と椿の両方が撮れる。今回は散り始めて花が少ない。

加茂市内を流れる加茂川は、加茂山公園からすぐ近くだ。
この時期、川の上に鯉のぼりを吊るしているので行ってみる。
数百の鯉のぼりが風になびいて壮観だ。晴れていて心地よい。
みやげものセンターによってから、次の目的地の長岡に向かう。

・加茂駅から信越本線で約35分、午後2時21分、長岡駅に到着。
宿に荷物を預けて、悠久山公園に向かう。
ソメイヨシノは散ってしまったが、枝垂れ桜がピークを
すぎたものの満開になっている。休日なので人出は多い。
小動物園周囲の雪椿も満開だが、花びらが痛み始めたり、
散り始めたりしている。もう何日か前に来たかったと思う。
ここの雪椿は土壌がよいのか、肥料なのか、品種なのかは
良くわからないが、花が大きく、花数が多く、見栄えが良いと思う。
被写体を選びながら枝垂れ桜と雪椿を撮影する。陽が西に
傾き始めているので、感覚的に良いと思えば構図を変えながら、
休みなく撮り続ける。
春の悠久山には三年連続して来ている。今回の状態はベストで
ないかもしれないが、映像として十分に使えるレベルだと思う。

・4月17日、長岡駅前から越後丘陵公園行きのバスに乗る。
当初、雪国植物園を予定していたが、休日はバスの本数が少なく、
今日の天候が不安定なので、離れたバス停まで長時間歩くのが
たいへんだと判断をして、急遽、予定を変更した。
長岡ICの前を通過して、越後丘陵公園に開園前の9時20分に到着。
小雨が降っているが、他にも開園を待つ人が何人かいる。
9時30分、入園券を購入して園内に入る。国営だけあって中は広く、
施設もいくつかあり、良く手入れをしているように見える。
入り口に現在の見頃の花がいくつか書いてあったので、
雪割草の群生地に行ってみる。確かに咲いているが、花が少ない。
花が小さいので見落としていないか、広い地面をずっと探すが、
見頃のピークが過ぎてしまったのだろう。
奥にあるカタクリ大群落も、雪割草がこの状態だと、おそらく
同じように花が少ないと思われるので、あきらめる。
代わりというわけではないが、イカリソウやオオイワカガミの花を
見つける。小さな花だが、みんな春の花たちだ。

小雨が時々降っているが、空が明るくなってきた。花の丘の花壇に
チューリップと黄色の水仙が咲いている。
チューリップは品種によって咲き始めのものもあるが、ほとんど
見ごろと言っていいくらいだ。雲が切れて陽が射し始めてきたので、
陽が射すタイミングをみて、撮影をしていく。
新潟市に着いた時、チューリップが咲き進んでいるのは知っていたが、
長岡市でもこれほど早く咲いているとは思わなかった。

・越後丘陵公園を後にして、長岡駅から上越線で越後湯沢に向かう。
この日は午後から晴れ上がって、最高気温が26.3℃になったそうだ。
越後湯沢は湯沢中央公園の枝垂れ桜を撮りたいと思っているので、
この気温で散ってしまわないか心配だ。
小出駅を過ぎて、車窓に越後駒ケ岳、中ノ岳、八海山の越後三山が
姿を現す。
このあたりから上越県境までの風景は、いつの季節もいいと思う。

午後3時過ぎに越後湯沢駅に到着。時間が早いので駅構内の
つるし雛のお店の「雪うさぎの旅立ち」を見に行く。前回は時間が
なかったのでゆっくり出来なかったが、今日は余裕がたくさんある。

駅前のビジネスホテルは、天然温泉の風呂と夕食が付いている。
夕食時、日本酒を頼むと塩沢の酒「鶴齢」がおいてあるとのこと。
思わず顔がほころんでしまう。飲みたい酒のひとつだ。
観光目的の温泉旅館と違って、食事の内容は少し見劣りするかも
しれないが、宿泊料金を考えれば十分な内容で、美味しいと思う。
取材を振り返り、友人と電話で話をしたりして時間が過ぎる。

・4月18日、湯沢中央公園は駅から徒歩で約20分のところにある。
公園全体は広いが、枝垂れ桜は公園の端の池の周囲にある。
もう散り始めていると思っていたが、多少の色落ちはあっても
満開の状態のままだ。
空に雲が広がり始めている。陽射しが雲に遮られてしまうので、
急いで撮影をしていく。もともと曇りの予報なので、陽射しが
あるだけでもラッキーだと思う。
観光バスが到着して団体の観光客が入るが、風景の一部として
違和感のないように取り込んでいく。
桜の咲いている場所は、それほど広くないので、二時間くらいで
ひととおり撮影をして、駅に戻る。

・今回は雪椿と桜など、春に咲く花を目的にした取材でした。
雪解けが早かったので思ったより早く咲いて、行くのが少し
遅かったのかもしれません。初めての所が多かったのですが、
訪れて良かったと思いました。
この他に、愛宕山や坂戸山、中里など、候補地をいくつかあげて
いたのですが、機会があれば行ってみたいです。


・加茂駅の枝垂れ桜

・加茂、青海(あおみ)神社

・加茂山公園の雪椿

・加茂山公園、雪椿の歌碑

・加茂川の上を風にそよぐ鯉のぼり

・長岡、悠久山公園の雪椿

・越後丘陵公園、チューリップ

・上越線の車窓から、越後駒ヶ岳、中ノ岳、八海山

・湯沢中央公園、枝垂れ桜

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