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取材記一覧

新緑の足柄峠から夕日の滝

・神奈川と静岡の県境にある足柄峠と夕日の滝を訪ねました。


・5月23日、伊豆箱根鉄道大雄山線、小田原駅7時36分発の
電車に乗る。車内は通勤、通学の人で混みあっている。
終点の大雄山駅に7時57分到着。

・駅のすぐそばにある関本のバス停からの地蔵堂行きバスの
出発時間まで1時間以上ある。
夕日の滝に行きたいと思って出かけてきたが、
途中のルートを決めてこなかったので、このまま待つのは
何か手持無沙汰のような気がする。
タクシーのりばに待機中の車が何台か並んでいる。
足柄万葉公園までのおおよその金額を確認して、
タクシーに乗り込む。

地蔵堂まででも良いのだが、タクシーを利用するので
足柄万葉公園まで行くことにする。
期間限定で足柄万葉公園行きのバスが出ているが、
土曜と日曜だけなので、あらかじめ予定を組むときは
事前に調べるなどの注意が必要だと思う。
また、ハイキングコースもあるので、徒歩でも行ける。

・途中で停車することが無いので、タクシーは速い。
25分くらいで、足柄万葉公園に到着する。
ここに来る途中、タクシーの運転手が、箱根山大涌谷火口の
水蒸気爆発の噴煙が見える場所で、車を止めてくれる。
知らない土地での気づかいが嬉しく、ありがたいと思う。
また、火山地帯のたいへんさと、観光への影響が気になる。

・足柄峠方向に向かって歩く。
見晴広場は木が生い茂っていて、周囲が見えない。
陽射しがあるので、新緑の木の葉が陽射しを受けて
とてもきれいだ。
少しすると、足柄神社跡の標識があり、続いて足柄古道の
案内標識がある。
しばらく歩くと平坦な少し広い場所があり、足柄関所跡に
小さな祠が建てられている。
東海道の箱根路が出来る遥か前から、
この地を往来する人と荷物を、ここで取り調べていたのだろう。

・聖天堂の前を過ぎて少し行くと、三差路になっている。
右が御殿場方向、左が金時山に続く道になっている。
御殿場方向への道路は舗装がきれいで、道幅が広いので
気をつけないとそのまま進んでしまう。

・三差路の脇に石段があり、その上に足柄城址がある。
ここからの眺望が良く、御殿場市街地や富士山が見える。
この日は残念ながら雲が出てきたので、富士山の山頂が
少しだけ見えたが、冬の晴れた日はよく見えるのだろう。

・足柄峠の分岐から金時山方向に進んでいく。
箱根外輪山の稜線の道で、平坦で歩きやすい。
道の両端は木々で覆われていて、周囲の景色は見えないが、
新緑の木の葉が陽射しを遮ってくれる。
車道であるが舗装が傷んでいたり、部分的に砂利道になる。
30分ほど歩いた所に駐車スペースがあり、10数台の車が
止めてある。金時山に登るには、一番近い駐車場になる。
そばに案内標識があり、「金時山60分,夕日の滝60分,足柄峠20分」
と表示してある。後でわかるが、この時間では行けなかった。
後日、距離を調べたが、所要時間を短めに表示してあるので、
実際の距離を併記したほうが良いと思う。

・夕日の滝への案内標識に従って、山の斜面を下りて行く。
この道は足柄峠ハイキングコースになっている。
最初は山の斜面を斜めに進むが、途中から斜面の尾根の部分を
歩いていくようになっている。
このあたりは火成岩の地質構造であるが、火山灰に覆われていて
表土は柔らかく、前々日に降った大雨の影響で、場所によって
滑りやすい。勾配が急なので、油断をしないように気をつける。

・しばらく行くと、岩がところどころに見えてくる。
次第に、沢の方から渓流の流れる音が聞こえてくる。
更に進むと、金時山の斜面から湧きでて流れる渓流が見える。
渓流のそばに行って撮影をする。足場が悪いが、三脚で
ビデオカメラを固定して、水の流れを撮っていく。
このあたりはハイキングコースの「金時山コース」と
「足柄峠コース」の分岐点になる。

・少し行くと勾配がゆるくなり、休憩ができるように
長椅子が置いてある。
お昼の12時近くなったので、腰かけておにぎりを食べる。
誰もいない場所で、渓流の音と鳥のさえずりが聞こえる。
休日だったら、ハイキングの人たちで賑わっているのだろう。

・「夕日の滝20分」の案内標識がある。
道は平坦になり歩きやすい。
渓流は次第に水量を増して川になり、堰を流れ落ちている。
道の真ん中にある岩の上に、たくさんの小石を積み上げてあり、
小さなケルンのように見える。

・30分ほどで杉林をぬけて、夕日の滝に到着する。
夕日の滝の説明書きによると、「標高約500mの地点あり、
高さ23m、幅5mほどの垂直に落ちる滝で、スギ、ケヤキ、
ナラなどの林に囲まれている。」とのことです。
滝の周囲の新緑と滝の流れが、疲れを癒してくれる。

・午後1時頃に、夕日の滝を後にして、地蔵堂のバス停に行く。
1時25分、地蔵堂発、関本行きのバスに乗って、帰路につく。

・帰宅してから、改めて地質図を見てみる。
夕日の滝は断層にあり、金時山の安山岩などの火成岩と、
海洋性の堆積岩、足柄層の境目にある。
自然がつくり出した見事な景観は、ずっと心に残ると思う。


・伊豆箱根鉄道大雄山線、小田原駅

・足柄城址から御殿場市街地と富士山
雲が出ていたが、富士山の山頂が少しだけ見える。

・足柄城址からの金時山

・足柄峠分岐から約1.8Kmにある案内標識

・足柄峠ハイキングコース

・金時山斜面を流れる渓流、

・道の上にある岩に、小石を積み上げてある

・新緑の夕日の滝

・地蔵堂のバス停

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