めぐり来る季節のビデオ Megurikuru Kisetsu
MENU

取材記一覧

秋の青森 取材記 2/2 <前のページ 1/2

・10月22日、雨があがって、薄日が差し込んでいる。
心残りであるが次の予定があるので、10時の宿の送迎バスに乗る。
今日は八甲田ロープウェイで、田茂萢岳(たもやちだけ)に行き、
その後、青森駅前の宿に移動をする予定である。
八甲田山系の紅葉の見頃は10月の上旬なので、すでに落葉と
案内されているが、それでも行ってみたいところだと思う。

バスは奥入瀬渓流の国道102号線を通過。銚子大滝や雲井の滝、
石ケ戸付近は、車と人で混雑をしている。大型バスが路肩で
乗客の乗降をしているので、なかなか進めない。
焼山から国道103号を進み、私は谷地温泉で降ろしてもらう。
送迎バスはこの先、国道394号を行くので乗り換える。
谷地温泉からは八甲田山の前田大岳が、すぐ目の前に見える。
JRバスを待ち、八甲田ロープウェイを目指す。

12時10分ころ、ロープウェイのバス亭に到着。すぐに山麓駅の
案内を確認する。山頂の気温0.1℃、霧の為、視界約30m、
近くにいた係の方に聞く。
「霧は時間がたったら晴れてきますか?」
「今日は、ダメでしょう」とのこと。
大型バスが次々と到着して、ロープウェイ乗り場が混んでくる。
山麓駅周辺の紅葉がきれいなので、しばらく時間をつぶして
ロープウェイに乗り込む。観光客で満員になっているので、
ゴンドラの中で動き回ることが出来ない。
後方の窓際の席を確保したが、一方向のみの撮影しか出来ない。
落葉しているものの、それでもスケールの大きさがカバーして
くれる。少し霧が薄くなってきて、視界が開けてくる。

10数分で山頂公園駅に到着。外に出て周囲を見渡す。
赤倉岳など周囲の山々、青森市街地、青森湾、陸奥湾が見える。
霧で霞んでいるので、ビデオでどのくらい表現できるか、
気になっているが、とりあえず撮り続ける。
この時期、湿原展望台の周囲はさみしい感じがするが、夏とか
季節によって、いい感じなのだろうと想像をする。
しばらくすると霧が濃くなったので、下山をして青森に向かう。

ロープウェイのバス亭から少し行くと、ブナの林が広がる。
道路の両脇の黄葉がとても綺麗に見える。ここでもビデオで
撮影を続ける。山頂の紅葉はダメでも、ここは盛りである。
午後4時20分ころ、青森駅に到着。

・10月23日、青森駅からの十和田湖行きのJRバスに長蛇の列が
出来ている。増発しないと乗りきらないような気がする。
私は、青森7時55発の弘前行きに乗車。奥羽本線に朝のまぶしい
陽射しが降り注ぐ。川部駅まで単線区間で、先頭車両から
進行方向を撮影する。線路際のススキが逆光に映えてきれいだ。

8時39分、弘前駅に到着。歩いて弘前バスターミナルに行く。
窓口で岩木山への行き方を聞いて、乗車券を購入する。
この乗車券は往復で、シャトルバスも含まれている。個々に
支払うよりもかなりお得である。また、この券を見せると
岩木山八合目からのリフトも割り引いてくれる。

9時5分バスターミナルを出発、約55分で嶽(がく)温泉に到着。
ここでシャトルバスに乗り換え、津軽岩木スカイラインで八合目に
向かう。この道路は69のカーブがあるが、30分ほどかけてバスは
ゆっくりと進む。ここでもブナを中心とした黄葉がきれいだ。
ビデオで撮影をしているが、体が左右に振られてブレが大きくなる。
撮った映像が使えるかどうかは、後でチェックすることにして、
淡々と撮影を続ける。

八合目に到着をして、リフトに乗り換えて九合目に行く。
気温が低くなってくるのがわかる。風が強くないのでそれほど
寒くは感じない。リフト降り場の係員の話では6℃くらい。
上からは白神山地、鰺ヶ沢、七里長浜、日本海が見える。少し
ガスがかかっていて霞んで見える。山頂まで登れば、北海道や
青森方面が見えるのだろう。山頂を見上げると岩がごろごろして、
大きな岩が斜面にいくつもある。鳥海噴火口は形がくずれているが
岩の壁が出来ている。岩木山も活火山でハザードマップがある。
どうしても今年9月の御嶽山の噴火を思い出してしまう。

午後1時40分、シャトルバスに乗って、岩木山を後にする。
来る時は気がつかなかったが、嶽温泉から見る岩木山の山頂は
平らに見える。世界一の桜並木や岩木山神社を通り過ぎ、
弘前の市街地に入る。弘前公園で降りて、弘前城天守に向かう。
石垣の修復工事の準備が進められていると報道されていたが、
内濠の埋め立てはまだ始まっていなかった。園内は紅葉が
色付き始めており、菊人形展が開催されていた。
夕方、弘前から青森に向かう。列車の中から夕日が岩木山の
裾野に落ちて行くのを見る。茜色に染まっていく西の空と、
岩木山のシルエットが印象的で、とても綺麗だ。

・10月24日、ここ何日か青森県全域に濃霧注意報が出ているが、
きのう今日と快晴である。取材の最終日は龍飛崎を訪れる予定。
青森10時38分発、津軽線蟹田行きに乗車。津軽線は全線単線で、
蟹田までは平坦でカーブが少ない。左に建設中の北海道新幹線と
並行して走る。瀬辺地を過ぎて少しで、右手に陸奥湾が広がる。
11時17分、蟹田駅に到着。1両編成の三厩(みんまや)行きに
乗り換える。ここから山間に入り、12時ちょうどに到着。

三厩から町営バスに乗り龍飛崎灯台に行く。町営バスは全区間
100円で割安だと思う。12時40分ころ龍飛崎灯台バス亭に到着。
風の岬だけあって風が強い。津軽海峡をはさんで北海道の
松前半島が見える。右側には下北半島と陸奥湾が広がる。
ローカルな鉄道とバスを乗り継いで、ここまで来たという
思いがわいてくる。そして、もうすぐ冬景色に変わるのを想う。

夕方、青森駅近くの居酒屋に入る。冷酒を飲みながら今回の
取材を振り返り、事故もなく無事に終えて良かったと思う。
秋刀魚のお刺身と銀杏がおいしい。秋の恵みに感謝をします。

< 前のページに戻る 1/2 >


・八甲田ロープウェイ、山麓駅周辺を見下ろします。

・八甲田ロープウェイ、山頂公園駅の周辺です。

・八甲田山、田茂萢湿原、雲がかかっているのが大岳。

・津軽岩木スカイライン、紅葉の中を走ります。

・九合目からの岩木山の山頂です。

・岩木山からの眺め、鰺ヶ沢、七里長浜、日本海が見えます。

・津軽線の終着駅、三厩のプラットホーム。

・龍飛崎灯台、風が強く吹きわたります。

・津軽海峡、画面の後方は北海道の松前半島です。

< 取材記 INDEXにもどる >

copyright (c) 2020 Hideichi Suzuki All rights reserved